「しんぶんし」を知らない人はいません。 そのぶん、回文をそのまま出すと「知っている」で終わります。
対称には段階があります。 一段ずらすと、まだ新鮮に使えます。
3 つの対称
| 種類 | 例 | 気づきやすさ |
|---|---|---|
| 読みが対称(回文) | しんぶんし、たけやぶやけた | すぐ気づく |
| 母音の並びが対称 | かるた(a-u-a) | 声に出すと気づく |
| 前半と後半が同じ | かたかた、いろいろ | 見ると気づく |
真ん中の「母音の並びが対称」が、いちばん使いでがあります。 見た目は左右対称ではないのに、声に出すと折り返している。 この落差が仕掛けになります。
かたちの性質で探すから、 3 種類それぞれのことばを集められます。
型 1:仲間はずれ探し
4 つのことばのうち、3 つが回文で 1 つだけ違う。 あるいは、3 つが母音対称で 1 つだけ違う。
いちばん素直な使い方で、説明もほとんど要りません。
型 2:折る・重ねる
紙を半分に折ると、文字が重なる。 これは対称のことばと相性がよい仕掛けです。
「かたかた」のように前半と後半が同じことばなら、 折ったときにぴったり重なります。 重なった/重ならなかったこと自体が、答えの手がかりになります。
紙を使う謎は、 封入と小道具でも触れています。
型 3:鏡を使う
回文と鏡は、実は少しずれています。
鏡に映すと、文字の形そのものが反転します。 「しんぶんし」を鏡に映しても、読めるようにはなりません。
鏡で読めるのは、 「A」「H」「M」「T」など、左右対称の形をした文字です。 ひらがなでは「へ」「く」あたりが近い形をしています。
回文と鏡を同じ謎に出すと、解答者が混乱します。 どちらか一方に絞ります。
型 4:真ん中の文字を使う
対称なことばには、必ず中心があります。
奇数文字なら、中心は 1 文字。 「しんぶんし」の中心は「ぶ」。
対称なことばを 4 つ並べて、それぞれの中心の文字を読む。 この形なら、「対称であること」に気づくのが第一段階、 「中心を読む」のが第二段階になります。
偶数文字だと中心が 2 文字になるので、 文字数はそろえておいたほうが親切です。
型 5:後半を隠す
対称なことばの後半を隠して、前半だけを見せます。 「対称である」と分かれば、後半は自分で復元できます。
復元させる作業が入るので、 解答者が手を動かす時間が生まれます。
この型は、対称だと先に伝えておく必要があります。 伝えずに出すと、ただの虫食いになります。
材料の集め方で気をつけること
回文は、辞書から集めると意外な数が出てきます。 ただし、その多くは日常で使わないことばです。
謎に使うなら、 「一般的なことばのみ」の絞り込みを入れたうえで選びます。 解答者が知らないことばを答えにすると、 対称に気づいても答えが出てきません。
母音対称のほうは、逆に候補が多すぎます。 「かるた」「さくら」「あたま」……身近なことばがいくらでも見つかります。 こちらは条件を足して絞ります。
どの対称を選ぶか
| 作りたいもの | 使う対称 |
|---|---|
| 説明なしで通じる謎 | 読みが対称(回文) |
| 声に出させたい謎 | 母音の並びが対称 |
| 紙を折らせる謎 | 前半と後半が同じ |
| 二段構えの謎 | 対称 + 中心の文字 |
回文をそのまま出すと既視感が出ますが、 回文であることを条件に使う(回文だけを選ばせる)なら、 知られていることがむしろ利点になります。
知られたルールは説明が要らない。 しりとりを謎にすると同じ考え方です。