謎解きで扱う「文字」は、たいてい見た目の話です。 ここに音という軸を足すと、見ただけでは気づけない仕掛けが作れます。
母音をそろえる
いちばん使いやすい型です。
「かるた」は a-u-a、「さくら」は a-u-a。 母音の並びが同じことばどうしを並べると、 声に出したときだけ関係が見えてきます。
- 4 つのことばのうち、1 つだけ母音の並びが違う → 仲間はずれ
- 母音の並びが同じことばを線でつなぐ → 対応づけ
見た目がまったく違うことばが結びつくので、 気づいたときの落差が大きくなります。
子音を手がかりにする
母音より一段難しいのが子音です。
「かさ」「きし」「くす」は、どれも k-s の並びです。 母音だけが変わっています。
この型は、五十音表の行とほぼ同じことを言っています。 「か行 → さ行」という並びだと説明すれば、 表を知っている人には一瞬で通じます。
ローマ字を挟む
音を扱う謎で、いちばん素直な見せ方です。
ことばをローマ字に直すと、 文字数が変わり、アルファベットの並びが手に入ります。
- 「ねこ」→ NEKO(4 文字)
- 「さくら」→ SAKURA(6 文字)
ローマ字にしたときの文字数を数える、 先頭の 1 文字だけ拾う、母音だけ抜き出す。 いずれも、日本語のままでは作れない仕掛けです。
注意:ローマ字には書き方の流派があります。
| ことば | 訓令式 | ヘボン式 |
|---|---|---|
| ふじ | HUZI | FUJI |
| ちず | TIZU | CHIZU |
| しんぶん | SINBUN | SHIMBUN |
どちらで数えるかで答えが変わる謎は、危険です。 紙面のどこかに 1 例を示すか、 書き方によって変わらない部分だけを使います。
拍(モーラ)で数える
音を扱うと、文字数とは別の数え方が出てきます。
「きゃく」は 3 文字ですが、音としては 2 拍です。 「きって」は 3 文字で 3 拍。「ケーキ」は 3 文字で 3 拍。
この違いは、そのままギミックになります。 「文字数と音の数が違うことば」を探させる、という出し方です。
ただし、数え方の説明が要ります。 拍という概念は、知らない人には伝わりません。 「手を叩きながら言ってみましょう」と書くと通じます。
ことばこーぼーでの探し方
音で探すでは、 母音・子音・任意の 1 音を組み合わせて書けます。
| 書き方 | 意味 |
|---|---|
a i u e o | その母音の音 |
k s t n h m ... | その子音の音 |
sh ch ts | 「し」「ち」「つ」の子音 |
ka | 子音と母音の両方 |
* | どんな音でも 1 音 |
「1 音目が k で、最後が『ん』」なら k*ん と書けます。
拗音は 1 音としてまとめて数えるので、
文字数の条件とは別の見方になります。
型の使い分け
| 型 | 難易度 | 説明の要る量 |
|---|---|---|
| 母音そろえ | ふつう | 少し(例を 1 つ見せる) |
| 子音の並び | 難しい | 五十音表を出すと通じる |
| ローマ字を挟む | やさしい | 書き方の統一が要る |
| 拍で数える | 難しい | 数え方の説明が要る |
はじめて音を使うなら、ローマ字を挟む型がいちばん外れません。 アルファベットが出てきた時点で、解答者は「音の話だ」と気づきます。
声に出させる工夫
音の謎は、黙って読んでいると気づけません。 紙面に、声に出す合図を置きます。
- 「読んでみよう」ということばを添える
- 口の絵、音符、吹き出しなどを置く
- ふりがなを大きく振る
ひとこと添えるだけで、正答率がはっきり変わります。 音を使う謎では、この一手間を惜しまないほうがよい結果になります。