テストプレイでいちばんもったいないのは、 終わったあとに「面白かったです」とだけ言われて終わることです。
見るべきものを決めてから始めると、1 回で分かる量が変わります。
何を確かめるのかを先に決める
テストプレイには段階があり、見るものが違います。
| 段階 | 確かめること | 必要な完成度 |
|---|---|---|
| 1 回目 | 解けるか、別解はないか | 手書きでよい |
| 2 回目 | 難易度と所要時間 | 仮レイアウト |
| 3 回目 | 読みやすさ、指示の抜け | 本番に近い形 |
1 回目に清書した紙を持っていくと、 直しが出たときに刷り直しの手間がかかります。 最初は手書きのコピー用紙で十分です。
人数と回数
1 回目は 1〜2 人で足ります。 別解や致命的な穴は、少人数でもすぐ出ます。
2 回目は 3〜5 人。所要時間のばらつきを見たいので、 ここは人数が要ります。
3 回目は本番に近い人数で、当日と同じ条件に寄せます。
同じ人に 2 回頼まないのが基本です。 一度解いた人は、二度と初見に戻れません。
誰に頼むか
謎解きに慣れた人だけに頼むと、難易度の見積もりを外します。
- 慣れた人:別解、ギミックの既視感を見つけてくれる
- 慣れていない人:どこで詰まるか、指示が読めているかが分かる
配布先が一般のお客さんなら、 慣れていない人のテストを飛ばすと、本番でそのまま事故になります。
見るのは「言うこと」より「すること」
いちばん大事なところです。
テストプレイ中は、口を出さずに手元を見ます。
- どこを最初に読んだか
- どこで手が止まったか
- 何を書き出したか、書き出さなかったか
- 紙をどう持ったか、回したか
「2 分間、紙の右上をずっと見ていた」という観察は、 「分かりにくかったです」という感想の 10 倍役に立ちます。
手が止まった時刻をメモしておくと、あとで整理しやすくなります。
聞いてはいけない質問
- 「面白かったですか?」 ほぼ全員が「面白かった」と答えます。情報になりません。
- 「難しかったですか?」 詰まったところがどこかは分かりません。
- 「どこを直したらいいと思いますか?」 相手を作者の立場に立たせてしまい、正直な体験が出てきません。
代わりに聞くこと
- 「最初に何をしようと思いましたか?」
- 「止まっていたとき、何を考えていましたか?」
- 「この紙は何をするものだと思いましたか?」
- 「解けたとき、どこで気づきましたか?」
どれも過去の事実を聞いています。 評価ではなく記録を集めると、直す場所がはっきりします。
解説はあとでする
途中で「そこはこう解くんです」と言いたくなりますが、 言った瞬間にテストは終わります。
詰まりきって進まないときだけ、用意したヒントを順に渡します。 このとき、何段目のヒントで進んだかが、そのままヒントの検証になります。
記録の取り方
紙 1 枚に、これだけ書ければ十分です。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 開始・終了時刻 | 14:02 / 14:31 |
| 詰まった箇所と時間 | 小謎 3 で 6 分 |
| 使ったヒント | 小謎 3 の 2 段目 |
| 出た別解 | 「さくら」(想定は「さくらんぼ」) |
| 読み違え | 「ソ」を「ン」と読んだ |
| 解けた瞬間の発言 | 「あ、下の数字か」 |
最後の行が、意外といちばん役に立ちます。 何が気づきの引き金になったかが分かるからです。
直す優先順位
出た指摘を全部直すと、たいてい間に合いません。
- 別解:放置すると答えが成立しません
- 読み違え:ギミックと無関係に事故が起きます
- 指示の抜け:進行が止まります
- 難易度:時間で調整できることもあります
- 好みの問題:最後に回します
1 と 2 は必ず直します。 4 は、難易度の調整にあるつまみで、 紙を刷り直さずに動かせることがあります。
直したら、もう一度
直した箇所は、必ず別の人にもう一度見てもらいます。
直した部分が新しい別解を生むことは珍しくありません。 条件を 1 つ足したせいで、別のことばが当てはまるようになる。 これは机の上でも確かめられるので、 条件を書き換えたらくわしく検索で件数を見直しておきます。